J.Scoreが認定された情報銀行とは?
公開日:2019年12月26日
当サイトで紹介している、AI審査による信用スコアによって融資条件が決まる個人向け融資サービス「AIスコア・レンディング」。このサービスを提供しているJ.Scoreが情報銀行として事業者認定されました。
情報銀行認定によって、AIスコア・レンディングの商品性に直接的な影響はありません。ただ、AIスコア・レンディングが情報を命にしていることを考えると、一定基準に適合しているお墨付きをもらったのは情報提供に不安がある人にとっては安心材料。
情報銀行という言葉はまだ聞きなれないかもしれませんが、これからもっと注目されていくことが考えられますので、ざっくりした概念を知っておくと役に立つと思います。
情報銀行とは?
そもそも情報銀行自体がなじみが薄いですが、文字通り「情報の銀行版」と考えるとよいです。
行動履歴や購買履歴といったデータを個人から預かり、個人が指定した条件に基づきその人に代わって、データを第三者(他の事業者)に情報提供する事業のことを指します。
「個人が指定した条件に基づき」という部分が重要で、本人の知らないところで勝手に情報が外部に持ち出されるわけではありません。あくまでも本人が、何かメリットを享受する目的で同意のうえで第三者に提供されるのがポイント。
J.Scoreのケースで具体的に言うと
J.ScoreのAIスコアを取得した個人が、自分の意思で登録済のデータを企業へ提供することで、情報提供料や特典等の対価を受領することができるサービスになります。
つまり、自分の個人情報が得する「資源」になるということ。
イメージとしては、企業が求める条件に合致する利用者に、アプリ上で情報提供の依頼が届き、マーケティングやセールスなどの利用目的、情報提供の対価など企業ごとの条件が示され、利用者が許諾すれば企業にJスコアが保有しているデータが渡るという流れです。
参考
J.Scoreによる情報提供サービスの概念図|日本IT団体連盟
https://www.itrenmei.jp/files/files20191225115025.pdf
情報銀行としての認定とは?
IT産業に関わる日本最大級のIT団体の連合体「一般社団法人 日本IT団体連盟」による認定制度です。
2018年6月に経産省・総務省が共同で主催する検討会から指針が公開され、同年秋に日本IT団体連盟による情報銀行の認定事業が開始されました。
認定第1弾は、2019年6月21日の三井住友信託銀行株式会社。株式会社J.Scoreはこれに続く第2弾で2019年12月24日に認定取得。両社とも、情報銀行サービスが開始可能な状態である運営計画に対する認定(P認定)です。
任意の制度ですが、認定を受けた事業者は安心・安全な情報銀行として、消費者個人がその個人情報を信頼して託せる事業者であることをアピールすることが可能になります。
三井住友信託銀行、J.Score以外にも、情報銀行への参入を表明する動きがあります。
▼情報銀行への参入を表明する動き
企業名 | 概要 |
---|---|
J.Score(みずほ銀行・ソフトバンク) | 情報銀行の認定取得。2020年春に信用スコアを活用した事業開始予定 |
三井住友信託銀行 | 情報銀行の認定取得。個人情報の信託サービスを構想 |
三菱UFJ信託銀行 | 2020年4月からアプリ提供。個人が自らの情報を収集・提供 |
フェリカポケットマーケティング(イオン系) | 情報銀行の認定取得。地域活性化などに活かす構想 |
電通 | 参加企業がアプリを開発 |
スカパーJSAT | 視聴情報などを活用 |
今後の情報銀行サービスの展望
中国など海外ではすでに情報銀行サービスの考え方が広まっていますが、日本ではまだまだこれからです。
ただ、年齢やローン残高、家族構成など約150項目の情報を任意で入力すると、AIが信用スコアを算出するJ.Scoreのサービスには、すでに無料で100万人が登録しています。
J.Scoreの設立母体であるみずほ銀とソフトバンクの顧客基盤はめちゃくちゃ大きく、データビジネスが本格的に広がるきっかけになるかもしれません。
海外では、GAFAと呼ばれるIT大手が、収集した個人情報を利用者が想定しない分野で活用するなど不満が高まっていたり、国内でも、就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、内定辞退の予測率を企業に販売して問題となりました。
個人の同意を前提とする情報銀行が浸透するかどうかはわかりませんが、すべての取引で「個人の信用」が重要なキーになるのは、昔も今も、そして今後も変わることはありません。せめてローンにおいて信用を下げるような失敗をしないように心がけたいです。