LINEポケットマネーのLINEクレジットに業務改善命令
公開日:2020年1月21日
LINEアプリ上で利用できる個人向けローンサービス「LINE Pocket Money」。
LINE Pocket Moneyは、みずほ銀行とオリエントコーポレーション、LINE傘下で金融事業を展開するLINE Financialの3社により設立されたLINE Credit株式会社の提供サービス。
そのLINE Creditに対し、東京都が2020年1月21日、貸金業法に基づく業務改善命令を出しました。
サービス利用に関する影響は出ていないようですが、知名度の高いサービスなのでここで取り上げて概要をお知らせします。
なにが起きたか?
今回、業務改善命令を受けた理由は2つあって、貸付審査と個人情報に関することです。
不適切な貸付け審査
1つ目は、貸金業法に定める過剰貸付け等の禁止違反及び返済能力の調査義務違反。簡単にいうと、法律で定められた審査をせずに安易に貸付けを行ったという法令違反です。
貸金業法では、貸金事業者に対して、「申込者から収入証明書を徴求すること」「年収の3分の1を超えて貸付けしてはいけないこと(これを総量規制といいます)」を義務付けています。要するに返済能力を超える過剰な融資は禁止されています。
ところが、LINE Credit社が個人向けローンサービスを始めた2019年8月29日から9月5日にかけて、顧客32人に対して年収の3分の1超の貸し付けがあったほか、収入証明書の提出を16人から受けていなかったという事実があったというもの。
社内のシステムに不具合があり、確認が不十分なまま貸し付けていたようで、サービス提供開始日が2019年8月29日なので、サービスイン早々の8日間の事故だったようです。
顧客情報の不適切な取扱い
2つ目は個人情報の取扱いに関することで、2019年9月、LINE Creditの社員が280人分の顧客情報が入ったエクセルファイルを一般人が加入するグループチャットに誤って投稿していたもの。
外部流出しているかどうかは不明ですが、発表内容を見る限り、そのような事態にはなっていないようです。
サービス利用への影響はなし
社内システムの不具合はすでに解消しているので、LINE Pocket Moneyの利用に関しては影響は出ていないようです。
貸金業法の違反行為に伴う行政処分は珍しいことではないですし、貸金大手でもしばしば見られます。ぜにぞうの前職の会社でもありました。
とはいえ法令違反は法令違反。貸金事業者のルーキーに対するお灸のようなものになったと思います。
サービス提供の出鼻をくじかれた格好にはなりましたが、LINE Pocket MoneyサービスはLINE Payと連動することにより、LINE上からいつでも今すぐ必要な分だけ借り入れや返済できる画期的なサービスなだけに、これから注目度が加速度的に上がっていくかもしれません。
【参考サイト】
LINE Creditに対する業務改善命令の行政処分について | LINE Financial Corporation
https://linefinancialcorp.com/ja/pr/news/2020/46